長崎大学病院がん診療センター

センター概要

研修・研究部門

 

がん診療センター副センター長
(研修・研究部門長)
野中 隆

 昨年前任の土谷から引き継ぎ、研修・研究部門を統括しています野中です。私は、①院内で毎月行われるCancer boardの運営および司会、②施設規模で年数回開催される「がん診療連携拠点病院研修会」、③県または市の規模で年1回開催される「長崎県がん診療連携協議会実務者会議」および「県民(市民)公開講座」の運営などを任されています。
 キャンサーボードでは多職種(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、放射線技師、理学療法士、作業療法士、MSW、栄養士、診療情報管理士、事務など)が参加し、個々の症例について診断や治療方針について検討します。開催頻度は月に1回で1~2症例に対して1時間程度の検討会を行っています。ここ最近は倫理面や社会的背景から問題がある症例の検討も行っており、治療の決定だけで無く、治療を受ける患者の家族や社会的問題まで議論の対象をひろげ活発に意見交換を行っています。
 がん診療連携拠点病院研修会においては、長崎県内の他の医療機関とも連携し、がん診療における地域医療連携の推進を進めていきます。がん診療に関する情報の共有や、専門的な知識・技術の提供などを行い、地域全体でのがん治療の質の向上を図ります。
 また、「県民(市民)公開講座」にて有用な情報を県民(市民)へ提供するべく毎年準備を進めています。近年のデータによると、長崎県は常にがん死亡率全国ワーストベスト10に入っており県民(市民)へのがん検診の啓蒙活動が非常に重要です。 近年は、抗がん剤や免疫療法、新たな手術機器の開発なども目覚ましく、早期に治療すれば多くのがんで治癒する可能性が高くなっています。この公開講座に医療関係者だけでなく一般の方々にもひろく参加してもらうことで、早期発見、早期治療に結び付ければと考えます。

 以上のような取り組みを通じて、長崎県の癌死亡率改善に向けて、私たちは全力を注いでまいります。地域の皆様と共に、がん診療に関する知識や意識を高め、医療現場に必要な人材育成や、最新の研究成果の反映などを通じた治療の提案など、県民(市民)患者様にとってより良い医療が提供できるよう、全力を尽くしてまいります。

(2023年4月)

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