長崎大学病院
診療内容と実績
 
■診療内容と実績(患者さん向け)
 

耳鼻咽喉科中耳・神経耳科診療班

長崎大学耳鼻咽喉科中耳・神経耳科診療班では慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳硬化症などの中耳疾患に対する手術を中心に、高度感音難聴に対する人工内耳埋め込み手術や、めまいを含めたほぼ全ての耳疾患に対して診療が可能です。

耳科学領域

1) 小児中耳炎
中耳炎は幼少児に多く、年齢と共に多くは治ってくる病気ですが、その後に手術を要するような後遺症に発展することがあります。 従来の一般的耳鼻咽喉科診療ではそれを早期に見つけて積極的に治療することは難しかったのですが、当科では中耳の生理学的機能、 構造の発達をみることにより、そのようなハイリスクの幼小児を見出して重点的に治療する方針を確立しています。
2) 慢性中耳炎
慢性中耳炎は小児にも成人にもみられ、日常生活に支障を来たす難聴や、なかでも真珠腫性中耳炎などでは時に頭蓋内合併症を引き起こすなどの問題が ある病気です。これを治すには手術が必要ですが、当科では中耳の生理的機能に基づいた独特の理論で各患者さんに最適な手術方法を選択しているため、再発や手 術による聴力低下が少なく、手術後も長期に安定した結果が得られています。
さらにこの手術方法は、以前の中耳炎による後遺症としての難聴や、中耳炎の手術を過去に受けて難聴が残っているような場合にも有効で、手術によって聴力が改善する可能性は約7割です。
 また当科では独特の術創縫合方法を取り入れているため、術後の抜糸が不要でしかもきずの治りが早いので、最も軽い中耳炎に対する鼓膜形成術は日帰りないしは2-3日の入院、かなり重症のものでも通常術後1週間から10日程度で退院できます。
3) 高度感音難聴
感音難聴は耳の奥の内耳の音を感じる細胞(内耳有毛細胞)が色々な原因で減少することによって起こるもので、先天性、後天性に限らず治らないもの が多く、したがって両耳に高度の感音難聴を持つ方々はこれまでコミュニケーション手段として手話などに頼らざるを得なかったのですが、最近は人工内耳とい う、手術で埋め込む内耳の代用品でかなり聴こえるようになっています。
 当科では1997年より手術前後の検査、リハビリテーションの体制も整えてこの人工内耳の医療を行っており、これまですでに190例以上の手術を行い、 全国でも有数の人工内耳センターとして機能しています。とくに発達に大きな影響を与える小児の先天性高度難聴に対しては積極的に人工内耳を推進していま す。
4) その他の難聴
その他、鼓膜、耳小骨などの先天奇形による難聴(中耳奇形)、交通事故や転落事故による難聴(外傷性耳小骨離断)、また原因不明で耳小骨が固まっ て音の伝わりが悪くなる耳硬化症なども同じく手術が必要な病気ですが、手術により聴力が改善する可能性は高く、当科でこれまで行った手術ではほぼ90− 100%で聴力改善が達成されています。
また稀ですが耳の奥の神経に腫瘍ができることがあり、聴神経腫瘍や顔面神経鞘腫と呼ばれていますが、これらもやはり難聴の原因となる他、時に頭蓋内に進ん で意識障害など重篤な症状を起こすことがあります。当科ではこれらの腫瘍に対しては、患者さんの背景なども十分に考えて、また脳神経外科と密接に協力して、 放射線、手術など、それぞれの患者さんに最適な方針を立てて治療しています。
5) めまい
めまいの原因はメニエール病、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症などの耳疾患のみならず、脳の循環障害、うつ病など多岐にわたります。当科では これらを専門外来で詳しい検査を行って適切に診断し、耳科的疾患の場合は薬物療法、理学療法、手術を患者さんの状態に合わせて行います。また、耳鼻科以外の 原因が考えられる場合は他科と協力して検査、治療を進めます。
 
中耳・神経耳科診療班の診療・治療実績
  平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
鼓膜形成術 34 (25) 26 11 12
鼓室形成術 62 48 68 67 56
アブミ骨手術 10 9 7 11 10
人工内耳挿入術 39 (21) 47 42 37
その他の耳科手術(聴神経腫瘍など) 11 (2) 6 10 6


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