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国際医療センター施設概要

フロアガイド

 一類感染症、二類感染症及び新型インフルエンザ等感染症に対応できる病床として、長崎県の補助を受け整備しました。空気の流れが外部に漏れない構造や感染した患者さんと直接接触できない厳重なつくりになっています。また、患者さんの搬送の経路や医療スタッフの動線などにも配慮して、安全で早急に治療できる医療環境を実現しました。
 第1種感染症病床は現在、 全国49医療機関(91床)に設置しており(平成28年10月1日時点)、県内では本院だけです。※感染症は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」により一類感染症から五類感染症に分類される。そのうち一類感染症は「エボラ出血熱」「クリミア・コンゴ出血熱」「痘そう」「南米出血熱」「ペスト」「マールブルグ病」「ラッサ熱」の7疾病、二類感染症は「急性灰白髄炎」「ジフテリア」などの5疾病です。 病棟[ 第1種感染症病床(2床)、結核病床(6床)、感染症病床(16床) ]

 2階には重症患者の治療を目的とした高度救命救急センター(19床)を配置しています。
病棟[高度救命救急センター病床(19床) ]

 長崎大学の「熱帯病、感染症研究」と「被ばく医療研究」は文科省の「グローバルCOEプログラム」に採択され、研究の内容や成果が注目されています。国内外で評価を得ている事業は、現在、海外2ヶ所に拠点を持ち、最新の情報収集や研究に取り組んでいます。
国際医療センターではこうした研究の担い手を育むよう、専門分野の研究室を整備しました。
研究棟[国際ヒバクシャ医療センター、感染症内科(熱研内科)、感染制御教育センター、高度救命救急センター]

感染制御教育センター

 医療技術の進歩やグローバル化によって、感染症をとりまく環境は大きく変化してきています。従来、日本では見られなかった感染症の患者の発生、新しい耐性菌の台頭など様々な問題があります。また、新規の抗微生物薬の開発が遅々として進まない現状にあって、医療界でも大きな危機感が持たれております。
病院や地域全体における感染症にも十分な情報収集、対策を行う必要があり、患者を守りつつ、抗微生物薬という人類の公共益を守るということも求められております。目に見えない微生物と戦うわけですから、我々も十分な戦略をもって挑む必要があります。こういった背景のもと、感染制御教育センターは2006年2月に、①感染制御、②感染疫学調査、③感染症および感染制御の教育の3つの実践を目標に設立しました。

泉川公一
センター長
長崎大学病院 感染制御教育センター

国際ヒバクシャ医療センター

 永井隆記念国際ヒバクシャ医療センターは故永井隆博士の精神を継承し、長崎のヒバクシャをはじめ、国内外のヒバクシャを対象とした検診から高度先進医療までの包括的な医療を提供するセンターとして、平成15年4月1日に長崎大学病院に設立されました。
また原爆後障害医療研究所と連携し、幅広く国際社会で活躍できる人材の育成を目指しています。その為若手医師の研修として、外来の化学療法や臨床治験を専門医とともに分担して、分子診断や分子標的治療法を取得し、包括的全人的患者ケアとキュアの診療に参加します。研修後も世界のヒバクシャ医療や国際貢献、さらに原子力災害時に速やかに対応できる医療専門家としての素養を身につけ、幅広く社会医学も研鑽して頂きます。長崎大学病院ならではの極めてユニークな診療と研修体制を整備し、生命の畏敬を第一とする医療人の育成に努める予定です。

山下俊一
センター長
長崎大学病院 国際ヒバクシャ医療センター

高度救命救急センター

 長崎大学病院高度救命救急センターは、長崎医療圏唯一の三次救急医療施設として、2010年4月に開設されました。この6年余り、長崎大学病院が地域医療の最後の砦として機能するよう活動して参りました。近年は、救急患者においても外国人の割合が増加しつつあります。今後は大学病院の高度救命救急センターとして、様々な国の救急患者さんに対応できるよう体制を整えて参りたいと思います。また、海外からの医療従事者の研修や医学生の教育にも力を注いで参ります。

田﨑修
センター長
長崎大学病院 高度救命救急センター

感染症内科(熱研内科)

 2011年12月5日、長崎大学病院国際医療センター開設に伴い、当科病棟は国際医療センター感染症内科として同センター内に移転いたしました。国際医療センターでは、高度救命救急センター、国際ヒバクシャ医療センターと一緒に感染症・呼吸器内科診療を行っています。

グローバル化が深化した現代社会において、国内で蔓延する感染症のみならず熱帯感染症を含む新興・再興感染症にも精通した医師を育成することが重要になってきました。私たちは、フィリピン国立感染症専門病院を拠点に、若手医師の臨床研修を行うと同時に、アジア・アフリカなどの途上国で、エイズ、結核、熱帯感染症などに関する国際的な研究成果を挙げつつあります。
研究に関しては こちら(http://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/internal/hashira3.htm)
また、国内においても、大規模な全国成人肺炎研究を推進するなど、私たちはこれからも、国内でも海外でも通用するグローバルドクターを育てる教室として、より特色のあるシステムを確立し、診療・教育・研究において、ますます努力して行きたいと考えています。

有吉紅也
科長
長崎大学病院 感染症内科(熱研内科)