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医科後期臨床研修

リウマチ・膠原病内科(2017年度までの旧制度)

専門医への軌跡 (ローテーション例など)

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専門医修得規定

後期臨床研修

1.経験できる疾患

A.関節リウマチ

膜炎とそれに伴う関節破壊により、進行例ではQOLの著しい低下を来たすが、近年はMRIや抗CCP抗体を用いることで早期診断も可能となってきた。また、炎症性サイトカインを標的とした生物学的製剤の出現により、その治療も飛躍的に進歩した。早期診断・早期治療により、関節リウマチの治療目標は、除痛と炎症反応の抑制だけではなく、関節破壊の進行阻止へと、まさに革命の時を迎えている。

基本は早期診断  早期治療である
B.全身性エリテマトーデス

多彩な臨床症状と血清学的所見を示すが、早期診断と治療法の進歩により、生命予後は飛躍的に改善した。治療の中心はステロイドと免疫抑制剤だが、これら治療に抵抗性の症例には、CD20に対する中和抗体(Rituximab)が奏効することもわかってきた。多くの疾患と同様に、全身性エリテマトーデスも遺伝的素因に環境要因が加わって発症する。これら要因の一つとしてRNAスプライシング制御異常があげられ、当科でも他研究室との共同研究を含め、発症メカニズムに迫っている。

C.シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は涙腺、唾液腺の慢性炎症により涙液・唾液の分泌低下をきたし、抗SS-A抗体, SS-B抗体などの自己抗体が出現する。病因としてアポトーシスの異常や、EBウイルス、HTLV-I、HCVなどの関与が想定されている。当科ではHTLV-I関連脊髄症に、高率にシェーグレン症候群が合併することを含め、HTLV-I感染とシェーグレン症候群との関連性を報告してきた。最近では、生検唾液腺組織より唾液腺細胞の初代培養を行い、これら細胞を用いた研究も行っている。

D.多発性筋炎/皮膚筋炎

多発性筋炎/皮膚筋炎は骨格筋症状と皮膚症状に加え、間質性肺炎など多臓器にも傷害をきたす。悪性腫瘍の合併にも注意が必要である。間質性肺炎では、筋炎症状が軽微な症例に合併する急性間質性肺炎の予後がもっとも悪い。当科ではこれら症例に対して、ステロイドや免疫抑制剤に加え、白血球除去療法(LCAP)の有効性も検討している。

E.血管炎症候群

種々の疾患が含まれ、臨床的にはしばしば急性の経過をたどり致死的となる。血管炎症候群は侵される血管の太さ、臓器の違い等から分類されるが、特に急性期には、血漿交換、ステロイドパルス療法、免疫抑制剤などの集学的治療が必要になることもしばしばである。また、生物学的製剤であるInfliximabの有効性も示唆されている。