研究の背景及び目的について
 長崎県の結核患者さんは年々減少しているものの、全国平均を上回り常に上位にあります。結核患者さんの中には、咳や痰など症状が出現してから診断がついて治療が始まるまでに3ヶ月以上かかってしまう方がおられます(長期発見の遅れといいます)。その中でも患者さんの症状出現から医療機関を受診するまでの遅れが多くを占めます。結核は発見が遅れると多数の人に感染してしまう恐れがあります。発見が遅れる背景としては様々な理由が考えられますが、長崎県においては詳細な調査結果がありません。本研究はそれらの背景を明らかにし、早期結核発見および治療、そして結核撲滅のための対策のあり方を考える手がかりにするのが目的です。
研究の内容について
 肺結核と診断がつき、同意が得られた患者さんに研究者が入院先やご自宅へお伺いし、直接質問用紙を使いお話しを聞かせていただきます。結核が発見されるまでの期間と早期診断の障害となっているものがないかどうかを検討します。内容は年齢、性別、ご職業、症状の始まり、症状が出てから受診および診断までの期間、結核という病気について思われるところなどを中心にお聞きします。また全体の問題点を把握するために、結核診断時に収集された資料をもとに受診、診断の遅れについて解析することもあります。これらについて個人情報にあたる氏名、住所、生年月日、電話番号などを収集することは一切ありません。かつ、情報漏洩には細心の注意をはらいます。
研究成果の取り扱いについて
 研究成果の発表については関連雑誌への投稿、学会発表および、各保健所、県医療政策課へ考察をふまえて報告する予定ですが、個人情報を提供することはありません。
研究成果
研究代表者:
塚本 美鈴
長崎大学病院 感染制御教育センター
〒852-8523 長崎市坂本1-7-1
TEL: 095-819-7730 / FAX: 095-819-7766