長崎感染制御ネットワーク
INDEX
ごあいさつ
 
HOME>ごあいさつ

 医学が進歩の歩みを進めるに従って、感染症との闘いが終息することはなく、むしろ多様化する感染症に対応が迫られています。「抗生物質は感染症に終止符を打つもの」という考えそのものに終止符が打たれ、感染症を迎え撃つ我々にも多様な武器が必要になってまいりました。これら対策の大きな柱が感染制御であり、感染症治療、感染防御などとともに現在では欠かせない手段となっています。
 しかし感染制御は、個々の感染症に対する治療や個々の患者の免疫状態を改善させる感染防御などとは異なって、人と人、病院と病院、医療関連施設と地域のかかわりなど多くのネットワークを介して感染が広がるなど、元来多様性を内包していることに特徴があります。一口に感染制御といっても、微生物の知識から人の心理にいたるまで幅広い領域の知が集約して成り立っています。さらに、感染制御に関する知識は日々集約され、新しいエビデンスが集積し、対策が更新され続けていますが、このことがかえって専門家を必要とする一面があることも否定できません。
 一方で、医療とともに発達してきたのは、医療に対する質改善の要求です。医療の質改善は患者にとって当然の要求であり、これを妨げるものはありません。病院内感染制御あるいは医療関連施設内感染制御もそのひとつです。不必要な感染による不利益は避けなければなりません。しかし感染制御を実施するためには、知識以外にも労力が必要です。わが国の医療制度は、必ずしもこの要求を全ての施設で満たすことができるほど多くの医療従事者の雇用を認めてはくれません。むしろほとんどの施設が、通常の業務に加えて感染制御に労力を割くことを求められています。
 知識、労力、専門性など獲得する時間や余裕を与えられないなかで、医療の質改善に対する要求を満たすためには、我々になにができるでしょうか? その答えの一つが、ひとつの文化圏、共通の自治体などを大きな医療施設として捉えて、専門性や避けられる労力の削減や有効な対策、コスト削減策の共有など地域の知の連携にあるといっていいでしょう。
 有用な感染制御を実践すべく、この長崎感染制御ネットワークが核となって、また連携の端緒となることを願っています。
 
HOME
ごあいさつ
長崎感染制御ネットワークとは
院内感染相談窓口
 
長崎大学医学部・歯学部附属病院 感染制御教育センター