センター長あいさつ

  臨床研究センター長 山本弘史
  臨床研究センター長
山本 弘史
   
 2014年7月に新しくセンター長となりました山本弘史(やまもとひろし)です。よろしくお願い申し上げます。
 日本は医療イノベーションを推し進めて、その具体的成果を国民・社会に還元し、 世界に発信することを重要な政策の柱としており、大学病院はこれに貢献することを強く求められています。長崎大学ではこのような社会の要請に応えるため、病院臨床研究センターにこれまでの体制に加えて専任のセンター長を追加して、臨床研究の強化・充実を図ることとなりました。
 臨床研究のうちには、新薬や医療機器の有効性および安全性を検証し国の承認や健康保険の適用を受けるために、法令に基づき開発企業などが計画して実施する治験と、大学などの研究者が主体的に計画して実施する、狭い意味での臨床研究があります。医学・医療を進歩させ、患者さんに具体的成果を還元するには、この双方ともが必要不可欠です。
 このうち治験については、これまでに我が国全体でも長崎大学でも精力的な改善等の取組が行われ、現在では大きな問題なく進められています。一方、狭義の臨床研究については、最近、種々の大きな問題が指摘され、国を挙げて改革への取組が進もうとしています。今後、先端創薬イノベーションの推進と、臨床研究に関する規制強化という大きな波が押し寄せるなかで、長崎大学の臨床研究をさらに発展させなければなりません。
 治験である場合も、そうでない場合も、臨床研究においては、患者さんの安全の確保と基本的人権の保護、出されるデータの科学性・信頼性の確保と適切な効率での実施が求められます。これまで臨床研究センターは、大学病院で行われる臨床研究について、これらが十分な水準で確保されるよう取組を進めてきました。今後とも、前任のセンター長の福島千鶴准教授は、副センター長として引き続き臨床研究ユニットを担当し、また北原隆志准教授は治験ユニットを担当いたします。新任の山本は、厚生労働省およびその関連機関で医薬品の開発、承認審査、安全対策などに関する行政経験を有しており、大学での実績のある両副センター長とともに、長崎から具体的成果を発信することを目指していく所存です。
<プロフィール>
1980年東京大学薬学部卒業、1982年同修士課程修了。厚生省(当時)に入省、厚生労働省では新薬・医療機器の審査・開発行政、安全対策、医療保険などを担当したほか、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、国立がん研究センター、国立医薬品食品衛生研究所、国立保健医療科学院、EU日本政府代表部等に勤務。平成26年7月より現職。