依存症について

1. 長崎大学ゲーム・ギャンブル等依存症研究会(長崎大学GG研究会)の設立について

特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(通称、統合型リゾート(IR)整備推進法)は、2016年12月26日に公布された。IRについては、その経済効果・雇用創出が期待される一方で、ギャンブル依存症に関する問題が懸念されている。

ギャンブル依存症は、以前は病的賭博(pathological gambling)と呼ばれていたが、DSM-5(米国精神医学会による診断基準)では、ギャンブル障害(gambling disorder)と呼ばれるようになっている。またギャンブル依存症と関連があるものとして、若者のゲーム依存症が大きな社会問題となっている。
ICD-11(世界保健機関による診断基準)には新しくゲーム行動症(gaming disorder)という診断カテゴリが設けられており、世界的に注目されている。

このような状況から、我々はギャンブル等依存症やそれとの関連が想定されるゲーム依存症についての対策を協議することを目的とした研究会を設立するものである。

2. 研究会の構成

長崎大学ゲーム・ギャンブル等依存症研究会(長崎大学GG研究会)の構成

3. 活動内容

長期的な大規模疫学調査
  1. カジノが開業された場合の、ギャンブルに対する住民の意識変化
  2. 子どものゲーム依存症が将来的にギャンブル依存症へ進行していく可能性があるとの指摘について、佐世保とその他エリアで比較調査を行い、行政に活かせるデータを算出する
調査方法案1

スマートフォンやタブレットを利用した調査

調査方法案
調査方法案2

県・市の教育委員会と連携し、各学校の児童生徒らにアンケートを実施

調査方法案
依存症対策ネットワークの構築

本研究会のメンバーとなっている各分野教員、医師、専門家や連携している長崎県依存症対策ネットワーク協議会に加え、主に佐世保エリアでのメンバー拡大を図り、研究会の活動をより実質的なものに進化させる。

依存症対策ネットワークの構築
その他
  • 講演会の開催
    ゲーム・ギャンブル等依存症について、カジノが開業する付近の住民を対象とした講演会や、学校で生徒や父兄を対象とした講演会を開催する。
  • ネット上での情報提供
    ウェブサイトを立ち上げ、当研究会での活動や、ギャンブル依存症・ゲーム依存症についての情報、簡易なスクリーニングツール(ウェブ上で20項目の質問をチェックすることで、ギャンブル依存症・ゲーム依存症のリスク評価を行う)などの提示を行う。