長崎大学医学部・歯学部附属病院薬剤部

製剤室の業務

製剤室では、主に次の4つの業務を行っています。

1.院内製剤の調製

「院内製剤」とは病院内で使用されるために特別に作成される薬剤の事です。市販の医薬品では治療上の特殊なニーズに対応できない場合があり、こういった場合に院内製剤を用いることがあります。院内製剤の使用にあたっては、病院内で科学的・倫理的な妥当性を十分に吟味します。また、実際に使用される前に患者さんに有効性および安全性を十分に説明し、患者さん自身が良く理解し同意された上で使用されます。

当院で取り扱う院内製剤の剤形は以下のように多岐にわたります。

・軟膏剤、点鼻・点耳剤、外用液剤、坐剤、注腸剤、外用散剤

・内用液剤

・注射剤、点眼剤

注射剤や点眼剤など無菌性が求められるものは、クリーンベンチなどの専用の設備を用いて無菌的に作成されます。

 

 

 


  

院内製剤の調製

点眼剤作成のようす。無菌性保持のためクリーンベンチ内で作業を行います。

完成した院内製剤

ラベルには、製剤名、使用期限または調製日、保管方法などを記載しています。

2.化学療法の管理・無菌調製

抗がん薬は身体を構成する「細胞」に影響を及ぼすものが多く、投与を受ける患者さんの副作用への配慮と同時に、薬剤を取り扱う者への配慮も大変重要です。また血管内に直接投与される注射剤は無菌であることが求められます。そこで薬剤部では無菌性と調製者の安全性が担保される安全キャビネットを用いて抗がん薬の調製を行っています。

また、調製の際には投与量や投与間隔のチェックを必ず行い、抗がん薬による治療が安全に正確に行えるように支援を行っています。

当院では平成198月に当院の外来化学療法室が設置されたのに伴い、抗がん薬等の無菌調製を始めました。現在では外来分のみならず、病院全体の抗がん薬が薬剤部で安全に調製されるように業務の拡大に取り組んでいます。

 抗がん薬無菌調製

細胞毒性の高い抗がん薬の曝露を防ぐため、調製者は2重の手袋やガウン、活性炭マスクを装着し、安全キャビネットを用いて、安全かつ衛生的に調製を行います。また当院では調製支援システム(左側のコンピュータ)を採用しています。音声と画面の指示で正確な調製を確実に行っていきます。

 投与量や投与間隔のチェック

抗がん薬は1回あたりの投与量のほか、正しい投与間隔が守られているかのチェックも薬剤師の重要な役割です。過去のデータを参照しながら、投与ごとに確実にチェックを行っています。

 

3.TPN(高カロリー輸液療法)の管理・無菌調製

TPNとはTotal Parenteral Nutritionの略で、食事が摂れない患者さんに十分な栄養を注射の形で補給する方法です。十分な栄養を投与するため、体の中心部にある太い静脈(中心静脈)から投与する必要があります。近年では必要な栄養素の大部分を含んだ便利なキット製剤が汎用されていますが、製剤室では既製品で対応しづらい疾患のTPNを医師から依頼を受け、無菌室内で無菌的に細心の注意を払って調製しています。また、依頼を受けたTPNが投与される患者さんに合っているか、組成のチェック、医師への情報提供も同時に行っています。

 

 

 

 

 

 

 


TPN無菌調製

無菌室内の様子。調製は無菌室内でも特にクリーン度が高いスペースで調製作業を行っています。

 

4.消毒剤の管理・供給

各病棟・診療科からの請求に応じ、アルコール製剤(ハイポエタノールなど)、消毒剤の原液や希釈液、洗浄用の生理食塩液、注射用水を供給しています。

 

Copyright(C) Nagasaki University All Rights Reserved