謹啓 この度、第29回長崎救急医学会を開催させて頂くことになりました。長崎救急医学会そして長崎県の救急医療を支えていただいている皆様に心から感謝申し上げます。
私個人としては長崎県内で救急科専従医として従事し間もなく20年目を迎えようとしています。その間、心肺蘇生・外傷診療標準化、救急救命士処置範囲拡大及びメディカルコントロール体制強化、長崎県ドクターヘリ導入、三次救急医療体制確立、度重なる自然災害への対応、DMAT等の災害医療体制整備、虚血性脳卒中診療の進歩、診療看護師及び看護師特定行為制度など様々な変化に対応してまいりました。
次の段階として近未来の超高齢化社会に対する救急医療の在り方を模索する中で、我々は新型コロナウイルス感染症という未曾有の危機に遭遇いたしました。その拡大の様相はまさしく災害といっても過言ではありません。未だ感染対応を余儀なくされる中ではありますがワクチン接種開始という分岐点を迎えたこともあり、長崎県における新型コロナウイルス感染症対応に関し情報共有できる場として本学会を活用したいという考えに至りました。
そこで今回はテーマを「新型コロナウイルス感染症との闘いの記録~それぞれの立場からの報告~」とし、様々な機関・職種の立場の方々に、ご発表いただきたいと考えています。発表を通して共感・共有・ブラッシュアップが出来、そして貴重な記録を後世に残せれば幸いに存じます。また今後新たな感染症の脅威にさらされた時、この記録がきっと有用な資料になると信じています。
新型コロナウイルス感染症禍におけるMICE 開催のためのガイドラインを遵守し集合対面方式で開催する予定としていますが、感染拡大状況によっては同方式開催を断念せざる得ない可能性もあります。従って今回は学会参加及び発表ともに事前登録制とし、発表内容に関しては参加された皆様に必ず提供できるよう準備を進めて参りたいと考えています。
パネルディスカッション及び特別講演に関しては、テーマ同様新型コロナウイルス感染症にフォーカスをあて企画する予定としています。また一般演題におきましては救急医療全般に亘り、各職種・分野の演題を広く募集いたします。
本学会もwithコロナの時代に応じた開催方法となり、事前登録制導入など演題発表も含め参加者が減少する懸念がありますが、集合対面方式開催の可否に関わらず参加者はもれなく全ての演題を視聴できるようになりますので多数の事前登録によるご参加をお願いいたします。また晴れて集合対面方式開催の際は、活発なご討論を期待いたしております。 |