ホーム > 医科専門研修 > 専門研修実績 > 専門医への軌跡 (ローテーション例など) > 血液内科

医科後期臨床研修

血液内科(2017年度までの旧制度)

専門医への軌跡 (ローテーション例など)

内科の中でも基礎医学に密着し、顕微鏡で自ら診断することができ、治療を実践できる診療科であり、そのアカデミックな姿勢と実践的な臨床が見事に両立しています。 長崎というユニークな地の利を生かした精力的な臨床研究や基礎研究だけでなく、プライマリケア教育にも力をいれています。

教育熱心な先生方の集まりであり、ぜひ、一度気軽に医局を訪ねてください!

http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/adi-hema/

下記は、先輩が専門医を修得する過程を示したものです。ご参考ください!

※画像をクリックすると拡大します。

ローテーション例など

専門医修得規定

後期臨床研修

後期臨床研修ローテーション例

血液内科コース

当科では、再生不良性貧血などの造血障害に対する免疫抑制療法や造血器悪性腫瘍に対する抗がん剤療法、造血幹細胞移植療法、分子標的療法による標準的治療法の開発、血液内科専門医の教育カリキュラムやEBMに基づいたガイドラインの作成に携わっている。

1.経験できる疾患

A.慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病(CML)は、1962年にフィラデルフィア染色体が発見され1983年にその遺伝子解析によるBCR-ABL融合遺伝子の証明がなされて以来独立した疾患として確立されてきた。分子生物学的解析の進歩によりこの融合遺伝子とその産物であるBCR-ABL融合蛋白質がCMLの発症、維持に必須であることが示され、この蛋白質に特異的に作用する分子標的薬剤が開発された。少ない副作用できわめて高い有効性を示し、CMLに対する治療戦略が一変した。

Abl阻害剤のイマチニブ(STI571)によるCMLの分子標的療法

A.慢性骨髄性白血病

B.CD20陽性B細胞性リンパ腫

CD20抗原は、形質細胞を除く正常B細胞と大半のBリンパ腫細胞に発現している分化抗原である。ヒト/マウス キメラ型の抗CD20モノクローナル抗体療法(リツキシマブ)を、それまでの非ホジキンリンパ腫の標準的治療法であったCHOP療法などに併用することにより、CD20陽性Bリンパ腫の治療成績は着実に向上しつつある。

CD20陽性Bリンパ腫に対するヒト/マウス キメラ型モノクローナル抗体療法

B.CD20陽性B細胞性リンパ腫
<リツキサン製品情報概要より改変引用>

C.多発性骨髄腫

最も成熟したB細胞である形質細胞が腫瘍化した多発性骨髄腫の約6割は、メルファラン+プレドニゾロン療法などの標準的治療法で寛解となるが、その多くは早期に治療抵抗性となる。1950年代に催眠剤として開発されたサリドマイドはその催奇形性のため使用中止されていた。本剤はその血管増生阻害作用に着目され抗がん剤として再開発される中で、1999年には難治性の多発性骨髄腫に対して約30%に寛解をもたらし、造血障害や脱毛などの副作用が少ないことが示された。

難治性の多発性骨髄腫に対するサリドマイド療法

C.多発性骨髄腫

D.造血幹細胞移植療法

造血幹細胞移植療法は難治性造血器悪性腫瘍に対する根治療法として進歩してきた。当科では1991年より、化学療法では治癒困難と考えられる症例に対して積極的に実施している。高度な全身管理を含む集学的治療法である。

D.造血幹細胞移植療法

E.成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)

ATLLは、1977年に提唱された日本、特に西南九州で好発する成熟T細胞性腫瘍であり、1980年にはその病因

ウイルスとしてヒトTリンパ球好性ウイルス1型(HTLV-1)が同定された。化学療法や同種造血幹細胞移植療法によりATLL症例の一部に長期生存がもたらされるようになった。HTLV-1の感染予防は可能となったが、HTLV-1キャリアにおけるATLL発症予防法は未だ確立していない。

E.成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)

2.週間スケジュール

曜日 午前 午後
9:00-12:00 外来(新患・旧患) 17:00-18:30 治療カンファランス
8:00-9:00 抄読会
9:00-9:30 新患紹介
9:30-13:00 回診
 
9:00-12:00 外来(新患・旧患) 15:00-16:30 移植カンファランス
9:00-12:00 内視鏡検査 17:30-20:30 治療カンファランス
9:00-12:00 外来(新患・旧患)  

3.資料

(1) 専門医制度

日本血液学会認定 血液内科専門医
受験資格
  1. 日本内科学会認定医又は日本小児科学会認定医である者
  2. 日本内科学会又は日本小児科学会の認定医を取得後,本学会が認定した研修施設において臨床血液学の研修を3年以上行った者
  3. 申請時に継続して3年以上本学会会員である者
  4. 臨床血液学に関係した筆頭者として学会発表又は論文が2つ以上ある者
日本内科学会認定 内科専門医
受験資格

現在認定内科医として認定されている者で、受験申込み時連続して3年以上の会員歴を有し、会費を完納し、次の a,bのいずれかに該当する内科研修歴を有する者

  1. 本会が認定した教育病院での研修3年以上に、本会が認定した教育関連病院での研修を加えた年数が6年以上あること
  2. 本会が認定した教育病院での研修が2年以上に内科臨床大学院での研修を加えた年数が6年以上あること
特殊な医科大学卒業者の研修に対する特別措置

自治医科大学、産業医科大学、防衛医科大学校の卒業者が、それぞれの大学の規定により内科研修を行う場合のみ、認定されていない病院での内科研修も認める

日本臨床腫瘍学会認定 臨床腫瘍専門医
受験資格
  1. 基本学会の認定医を有していること。
  2. 日本臨床腫瘍学会会員暦2年以上であること。
  3. 医師国家試験合格後2年の初期研修を終了した後に5年以上のがん治療の臨床研修を行っていること。
  4. 学会認定施設において、所定のカリキュラムで2年以上、がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の臨床研修を行ったもの。

(2) その他

血液内科コースの詳細については、下記の長崎大学原研内科のホームページを参照のこと。

http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/adi-hema/