留学記・海外での学会発表

海外研修参加報告
ハワイ大学医学部 シミュレーションセンター
(米国 ハワイ)
高度救命救急センター 医員 上村 恵理
 2018年9月24日~28日に米国ハワイ州ホノルル、ハワイ大学医学部シミュレーションセンターで短期研修に参加してきました。
 この研修は長崎大学病院 医療教育開発センターが主催するプログラムで、毎年同センター指導医の宮本俊之先生が10人程度の初期研修医を連れて、シミュレーターを使用した研修を行っているもので、今回が10回目になります。
 初期研修医から県外に出た私は長崎に残った大学時代の同期からこのような機会があるという話は聞いていました。今回外傷センターでも勤務しておられる宮本先生から救急での教育に今後携わることもあり、お声をかけていただきました。
 初期研修から長崎に来るまで働いていた病院では研修医、看護師も交えてシミュレーションを行ったりしていたこと、大学病院へ異動し、研修医と接するにはどうしたらいいのか悩んでいたこともあり参加させていただくことにしました。
 ハワイ大学医学部シミュレーションセンター(SIMTIKI)では、急変対応や夜間の当直、気道管理、小児救急、多数傷病者と正直、私が最も面白いと思うような内容ばかりでした。
 実際のプログラムではシミュレーションのルールや学ぶ内容を最低限伝えたのちに、実際のシナリオに入ります。研修医の先生がきちんと問診や診察をしたりして、評価を行い、対応をしなければ患者さんの状況はどんどん悪化していきます。研修医の先生ははじめのうちは戸惑うことも多く見受けられましたが、徐々に慣れて積極的に取り組んでいました。
 偶然にもファシリテーターをさせていただく機会があり、シナリオにはそれぞれキーポイントがあり、それをすべて教えてしまうのではなく、いかに研修医の先生自身に発見してもらうか、また自分自身が楽しみながらやることが重要だと感じました。
 また各国から来られた研修の先生方やハワイで働く先生方の留学経験やキャリアについても話を伺うことができて非常に貴重な機会だったと思います。
 いきなり出現したスタッフが同行して研修医の先生は困るのではないか…と思うこともありましたが、研修医の先生と食事をしながらそれぞれが考えていることを聞くことができて、行ってよかったと思いました。ちょうど移動日が私の誕生日だったのですが研修医の先生方がサプライズで祝ってくださり、とても研修医の先生方の人柄の良さや優しさを感じました。
 今回のプログラムでは少しだけ教育に対する苦手意識が和らいだのではないかと思います。そして私に正しいことを教え、身につけるよう指導医の先生方が教えてきてくださったことに気づき感謝の気持ちでいっぱいです。
 今後は自分自身の知識や技術のブラッシュアップはもちろん、コミュニケーションやチームの役割なども機会があればシミュレーションを用いて伝えられるようにしたいと思います。
 今回の研修の許可を下さった田﨑教授、お声をかけてくださった宮本先生、シミュレーションやファシリテーションについて教えてくださったベン、これまで指導してきてくださった先生方、休みを下さった高度救命救急センターのスタッフの皆様、そして背中を押してくれた家族にお礼を申し上げます。
 本当にありがとうございました。