心不全

心不全とは、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。
心臓は無理して血液を送り出そうとしますが、こうした状態が続くと、心臓はやがて疲れて、バテてしまいます。
このように、心不全はひとつの病気ではなく、心臓のさまざまな病気（心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症など）や高血圧などにより、心臓に負担がかかった状態です。

虚血性心疾患

心臓のポンプ機能を行う心臓の筋肉に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。
虚血性心疾患とは、この冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり（狭心症）、閉塞したりして（心筋梗塞）心筋に血液が行かなくなることで起こる病気です。

心臓弁膜症

心臓には４つの部屋があり、各部屋の出入り口には、血液が逆流しないように扉（逆流防止弁）があります。
それらが狭くなったり（狭窄）、不完全に閉じたりする（閉鎖不全）異常の総称が心臓弁膜症です。

心筋症

心筋症とは、心臓の筋肉（心筋）自体に異常があり、その結果、心臓の働きが維持できなくなる病気の総称です。
心筋症には、肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症、不整脈原性右室心筋症などがあり、アミロイドーシスやサルコイドーシス、ファブリ病など全身の病気に伴って心筋の障害を起こす場合もあります。

不整脈

不整脈とは、心臓のリズム（調律）の異常のことで、大きく、脈がとぶように感じる期外収縮、脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈の三つがあります。
不整脈によっては、心不全や失神発作を起こしたり、脳梗塞を併発したりするものもあり、早期の治療が必要な場合もあります。
逆に、特に治療しなくて良い場合もあります。

末梢動脈疾患

末梢動脈疾患とは、主に足の動脈が狭くなったり、閉塞したりして、血液の流れが悪くなり、歩行時の痛み、足の冷感や潰瘍ができたりする病気です。

肺高血圧症

肺高血圧とは、心臓から肺に血液を送る肺動脈内の圧力が高くなる状態のことを言います。
肺高血圧になりますと、肺動脈に血液を送り出す右側の心臓の部屋（右心室、右心房）に負担がかかり、最終的には、右心不全になります。

大動脈疾患（大動脈解離、大動脈瘤など）

大動脈解離とは、身体の中心にある大きな動脈（大動脈）の壁が裂け、あらたに別の血液が通る道筋（偽腔）ができる病気で、裂けた部位によって、緊急手術が必要となることがあります。
大動脈瘤とは、大動脈が「こぶ」状に膨らんだ状態のことで、大きくなると、破裂する危険性が高くなり、手術やカテーテル治療が必要となります。

先天性心疾患

先天性心疾患とは、生まれつき心臓病のことで、その種類は多く、まれな病型まで数えると40以上あります。
重症な病気は、すぐに生死に関わりますから新生児期に手術が必要です。
中等症の場合は、ある程度成長した小児期に手術が必要になります。
軽症の場合には心臓の雑音があるだけで、正常の生活ができますから、手術は必要ありません。