薬剤部長の佐々木均教授が、
長崎県科学技術大賞を受賞

写真左から:中尾病院長、佐々木教授、長崎県産業労働部新産業創造課:井内課長、河野様
   
   

 2020年3月23日、長崎大学病院において長崎県科学技術賞の授賞が行われ、本院薬剤部長の佐々木均教授が「核酸医薬品に適した薬物送達システムに関する研究」により、令和元年度長崎県科学技術大賞を受賞しました。
 この賞は社会的・学術的に高い評価を受ける顕著な研究業績をあげた、もしくは、研究成果が実用化され高い経済効果を生み出した等、優れた新産業創出や新技術開発につながる成果をあげた研究者に授与されるものです。
 核酸医薬品や遺伝子医薬品は希少疾病の治療薬や新しいがんの治療薬として、また新しい感染症やがんのワクチンとして期待されています。しかし、核酸医薬品の多くはサイズが大きく、からだの中で壊れやすいため、特定の疾患部位や細胞に到達することが困難です。佐々木教授は、医薬品やサプリメントなどに用いられている安全な素材を用い、核酸医薬品を安定に特定の疾患部位や細胞に標的化できる新しい薬物送達システム(DDS)を開発することに成功しました。そのことに加え、既に動物モデルで癌や感染症に対する薬理効果や安全性を確認し実用化も進めていることが高く評価され、今回の受賞につながりました。
 佐々木教授は、「この度は、長崎大学で行った研究で素晴らしい賞をいただき光栄に思います。この技術は安全性が高く、核酸医薬品や遺伝子との組み合わせにより、さまざまな疾患の治療に使えるのが特徴です。希少疾病治療薬、がん治療薬、感染症ワクチンなどの医薬品を迅速に開発し、多くの患者さんに届けたいと願っています。」と語りました。

[記事:総務課(広報・評価)]