新型コロナウイルス感染症の急拡大による
 長崎医療圏の医療の非常事態について

 新型コロナウイルス感染症の第4波による感染が急速に拡大しております。このまま患者が増え続けると、感染症治療のみならず、感染症治療以外の医療が甚大な影響を受けることが想定されます。すでに長崎市内の医療機関において通常の診療に支障が出ており、予定の入院や手術の延期が余儀なくされています。すなわち、本年1月上旬と同様に、医療全体が崩壊しかねない非常事態を迎えています。

1.新型コロナウイルス感染症患者の急増

 重症を含む新型コロナウイルス感染者が急増しております。この数日だけでも、連日、20人以上の患者が発生し、重症の患者も以前より多く発生しております。長崎医療圏の確保病床数140床のうち約50%が埋まり、多くの患者が宿泊療養施設にも入っておられます。コロナ診療を主に担当している長崎市内の4病院(長崎大学病院、長崎みなとメディカルセンター、長崎原爆病院、済生会長崎病院)においても、多くの一般病床を縮小し、看護師、医師のマンパワーをコロナ診療に注力せざるをえない状態になっております。このことから、重症、緊急など命に関わる疾患を優先的に治療し、治療を待機できる場合は、入院の延期をお願いする事態も起こっています。

2.市民の皆さまへ

 長崎医療圏では、第3波以来の危険な状況にあります。三密回避、マスク着用、手指消毒などの感染防御対策はもちろんですが、特にゴールデンウイーク中の不要不急の外出・会食を可能な限り自粛いただき、感染の機会を減らしていただくよう、お願いいたします。皆さまの慎重な行動が、長崎医療圏の医療体制の維持に繋がり、救わなければならない命を救うことにもなります。何卒ご協力よろしくお願いいたします。


長崎大学病院 病院長 中尾 一彦
長崎みなとメディカルセンター 院長 門田 淳一
日本赤十字社 長崎原爆病院 院長 谷口 英樹
済生会長崎病院 院長 衛藤 正雄