長崎大学病院で行われた臨床研究の逸脱と対策について

 本院にて実施中の臨床研究において、研究責任者より逸脱報告が提出され、長崎大学病院研究倫理審査委員会にて「ヒトを対象とする医学系研究に関する倫理指針」からの逸脱について審議した結果、軽微とはいえない問題がありましたので、以下のとおり公開いたします。

 逸脱の概要
・研究実施計画書では「文書での同意を取得する前に、被験者を本研究で組み入れることはできない。」としていたにも関わらず、研究参加に対する被験者への説明及び同意取得を得る前に割付を実施した。
・被験者は時間外に救急搬送された患者であり、その場に当該研究に携わる医師は不在であったにも関わらず、当直医師より電話連絡を受けた研究責任者が、研究分担者ではない当直医師へ研究実施計画との適格性の確認を求め、合致していると判断し割付を行った。

 なお、本件につきましては、後日、研究責任者より被験者の家族の方に対し、説明が前後したことの謝罪及び研究参加への取り下げにより収集情報を不使用とすることの説明を行い、理解を得ております。

 最後に、本学は今回の事態を深く反省し、当該研究の中止はもとより、臨床研究倫理の再教育等、再発防止に向けた取組を強化徹底するとともに、被験者を含む関係の方々には多大なるご迷惑をおかけしたことを、改めて心よりお詫び申しあげます。