全国有数の教育プログラムを持つ長崎大学病院で、未来の薬剤師に必要な高度な学力と技術を身につけませんか。 日本では医療機関の機能分化が進むとともに、医療と介護を連携させた地域包括ケアが推進されています。また、多種多様な医療スタッフが各々高い専門性を前提に、的確な医療を患者に提供するチーム医療がすべての医療機関や地域医療で進められています。限られた医療資源のなかで、医療の質や安全性を高める職能として薬剤師への期待が集まっています。
薬剤師も個別化の時代です。基礎的スキルを身につけるとともに独自の専門性を武器にチーム医療に貢献する必要があります。当院では入職初期より、調剤、注射薬調剤、抗がん剤調製の研修プログラムにより、薬剤師の基本的スキルの習得が可能です。カルテや検査値を見ながらの症例検討会やフィジカルアセスメント研修も充実しています。さらに、感染制御、緩和ケア、NST、がん薬物治療、救急医療、HIV感染薬物治療、糖尿病などの専門・認定薬剤師の人数も多く、早期体験学習のプログラムや専門教育のプログラムが発達しています。
充実した教育プログラムを持つ長崎大学病院で、これからの医療で求められる薬剤師になりましょう。
メンター・メンティー制度とは、直属の上司とは別に、指導・相談役となる先輩(メンター)が新人(メンティー)をサポートする制度のことです。 社会人1年目、もしくは新しい職場での1年目は、業務上の事や職場の人間関係などにおいて、「どうしたらよいのか?」と不安になることも多いかと思います。そんな時に、メンティーは、メンターに悩みや心配事等を気楽に相談することができます。メンターは、適切なアドバイスをくれるでしょうし、話を聞いてくれる先輩がいる、ということだけでも安心感が違うのではないでしょうか。
専門領域の活動に興味があっても、なかなか日常業務では接する機会が少ない…そんな入局2年目の若手職員を対象に、体験型の実習を行っています。当院にはいろいろな資格を持った薬剤師がいます。専門領域への理解を深め、いち早く興味をもってもらえるよう、各領域の専門薬剤師を講師として実習を行っています。座学だけではなく、ロールプレイや症例検討、体験実習など、より実践に近い内容を目指しています。
当院の取り組みを論文投稿しました(業績一覧)
当院の専門薬剤師一覧BLS(Basic Life Support)とは、患者さんが容体急変などで心肺停止状態に陥ってしまった時、医師や医療機器が揃うまでに行う応急対応のことです。薬剤師も病室をはじめ院内のいたるところで患者さんの急変に出会うことがあります。インストラクターの指導のもと、意識や呼吸の確認方法、緊急コールやAEDの取り寄せ手順、胸骨圧迫やAEDの適切な使用方法を実践的に学んでいます。
日本病院薬剤師会雑誌 49(2):143-147(2013)
毎年、新人薬剤師また参加希望の薬剤師の皆さんと一緒にBLSについての講習会を行っております。病棟や外来で活動している薬剤師の方々が、突然の心肺停止患者に遭遇しても冷静に対応できるよう、今後もBLS講習会を継続し、知識やスキルの維持に努めてまいります。
当薬剤部では入局後、半年間の払出し業務研修を修了し、時間外や休日の当番業務に入っていきます。
研修終了後も基本的な薬剤師技能を維持するためには、定期的な技術確認が必要であることから、理解度チェック表と参照資料を用いた自己点検を行っています。
若手の薬剤師が教える側に立って何かを伝えるということはなかなかありません。
薬物治療基礎講義は、若手薬剤師が新人薬剤師に対して行う講義です。若手薬剤師の発表練習を目的として行っています。若手薬剤師が、講義内容の決定からスライド作成、講義後のテストまで行い、中堅薬剤師がそのサポートをします。新人薬剤師にとっても、薬物治療の基礎を学べる機会になっています。
薬剤師として働く以上、医療者や一社会人として知っておくべきこと、学んでおくべきことは数多くあります。
当院薬剤部では、バラエティに富んだ内容について基本的なことからその中でも薬剤師に特に関連することに焦点をあてた定期的な研修会を開催しています。
(過去の開催テーマ例:災害医療、栄養関連(病院食など)、ハラスメント、接遇、禁煙外来、など)
研究活動の中で、避けては通れないのが統計処理です。
そこで、統計勉強会では、統計学の基礎知識講義から、統計処理ソフトを利用した実践講義まで、薬剤部内で実施に使用する統計処理を中心に、統計学の専門家を講師にお迎えし、学んでいきます。
薬事審議委員会において採用が決定した医薬品に関して、薬剤部職員に対する「新薬説明会」を開催しています。新薬説明会では製薬会社の開発担当者に臨床試験の結果や製剤上の特徴、注意すべき副作用や取り扱い上の注意点など詳細に解説していただき、それに対して薬剤部職員から積極的な質問が行われています。
薬剤部では、毎月1回、薬剤管理指導を行った退院患者の指導・介入内容とそのポイントをまとめた症例報告、および指導中の患者について指導上の疑問点について、薬剤部全体で今後の指導方法や薬学的管理のポイントについて、意見を出し合う症例カンファレンスを実施しています。疑問に対しては、感染、がん、緩和、NST、HIV、糖尿病など様々な専門・認定薬剤師から専門的な意見が出され、高度な薬物治療管理の研鑽の場になっています。
入職1・2年目の薬剤師が参加対象です。国試で問われる臨床薬学(○歳 男性/女性 ○○疾患の患者~で始まる)の問題について、先輩薬剤師に相談しながら、問題の解説を作成して発表します。基礎科学や薬理学だけでなく、日常業務で身につけた臨床的な視点も加え、改めて国試問題に取り組むことで技能向上を目指します。
大学病院に勤務する我々には研究活動も求められます。
そのため当薬剤部では、研究経験豊富な職員が中心となり、若手職員の研究活動をサポートしています。
自分で導きだした研究成果が、学会発表や論文投稿を通じて、医療に貢献できることを体感できます。
長崎大学病院では、自然豊かな離島、下五島にある富江病院に半年程度薬剤師を派遣しています。富江病院は内服・外用調剤、注射薬調剤、麻薬管理から、抗がん剤の管理、医薬品の購入管理、外来患者の服薬指導まで幅広く業務を行っています。また、医師、看護師、事務、検査技師など多職種はもちろんのこと、近隣の調剤薬局とも距離がとても近く、全員で協力しながら仕事をするので、長崎大学病院で得た経験を十分に発揮しながら、薬剤師として知識以上の多くのことを得ることができます。
(参考)長崎大学病院におけるこれまでの出向実績
長崎県と島原、五島、対馬、壱岐の6市1町が病院事業を経営するために設立した地方自治法上の特別地方公共団体(一部事務組合)で、8病院3附属診療所を運営する。
診療科:内科・外科・整形外科・小児科・眼科
病床:55床(一般32床、地域包括ケア病床23)
富江病院での主な対応事例
診療科:内科・外科 他 計18科
病床:186床(一般120床、地域包括ケア62床)
上五島病院での主な対応事例
富江病院は、地域医療の中心を担っており、提供する医療が幅広いため、大学病院での経験を生かせるだけではなく、日々新たな学びが得られ、薬剤師として貴重な経験になりました。院内のスタッフは親切で相談しやすく、近隣の薬局や病院、大学、企業とも協力できる体制が整っており、安心して業務に取り組むことができました。また、海や星空などの豊かな自然や美味しい食事でリフレッシュでき、楽しく勤務することができました。
チーム医療に貢献するために、薬剤師には高度な臨床能力と高い専門性が求められています。さらに、臨床におけるクリニカルクエスチョンを解決し、新しいエビデンスを創出できるpharmacist-scientistとしての役割も期待されています。長崎大学病院では、充実した教育プログラムのもと、臨床マインドと研究マインドがバランスよく共存した先進的薬剤師の育成を推進しています。
長崎大学病院 副薬剤部長・准教授 兒玉幸修
当院では、入局したすべての薬剤師が継続的に学び成長できるよう、包括的な教育プログラムを提供しています。当院の薬剤部教育プログラムは、教育マニュアルに準じて行われます。この教育プログラムは、薬剤師としての基本的な実務能力と専門知識を高めることを目的としています。
また、この薬剤部教育プログラムは年に一度、教育WGが改訂を行っています。
薬剤部の教育マニュアル(2020年3月 第2版)
一般社団法人 日本病院薬剤師会 URL:https://www.jshp.or.jp/index.html
厚生労働科学研究成果データベース URL:https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/159341
厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業)
薬剤師の卒後研修カリキュラムの調査研究(2024年6月利用)
研究代表者:名古屋大学 山田 清文
さらに、当院の薬剤部教育プログラムは、長崎県と連携して実施されています。この連携により、地域医療に貢献しながら、最新の医薬品情報や医療技術を取り入れた実践的な研修を行っています。長崎県との協力体制の下、薬剤師としての能力をさらに向上させ、地域社会に貢献できる人材の育成を目指しています。
研修の実施状況については、教育ワーキンググループが主体となって確認し、適宜必要な対応を行っています。
研修プログラム全体の計画、実施、評価を監督し、研修生が必要な知識とスキルを効果的に習得できるようサポートします。
兒玉 幸修
医療教育開発センター 薬剤研修部門長
副薬剤部長
当院の研修プログラムは以下の2つの委員会にて、計画、実施、評価を行います。
副薬剤部長 兒玉 幸修
TEL:095-819-7247(薬務管理室) FAX:095-819-7251
E-mail:y-kodama[*]nagasaki-u.ac.jp
[*]を@に変更して、メールを送信してください。